振り返り:1年の目標は妥当だったのか?

前回は、そもそも「振り返り」ってなんだ、というお話をしました。
振り返り、の定義をすこし明確にしましたので、これから今年一年の振り返り、について、具体的なお話を進めていきます。

皆さん、今年始まるときにはそれぞれ、今年の目標、のようなものを決めて、
それを手帳やノートなどに書いていたと思うんです。

それ、持ってますか?そして、目標を憶えていますか?

持っていない、憶えていないとしたら、それは今年一年を無為に過ごした、といっても過言ではないと思います。

無為にすごした、ということは、今年は一年間、
あなたの人生の目標に寄与する行動を、意図的な行動としては、
まったくやっていなかった、と言えるものです。

何かを成し遂げよう、とする人生において1年という時間は貴重です。
なぜなら、人生は長いようで、実際に楽しめる時間はさほど長くないからですね。

その目標が妥当だったのかを判断するには、
なぜそれを目標にしたのか、という前提を明確にしておく方がいいです。
できれば、その目標にした詳細な理由を添えて、手帳などに残しておくといいです。

何でもかまわないです。たとえば、こんな感じ。

・出口戦略上、その目標に設定しなければ立ちゆかなくなる
・○○さんがこう言っていた、その内容に触発された
・なんとなくきめた

そして、「後付けの理由をつけない」こともたいせつです。

頭の良い方は、年のはじめに目標を立てる際は広く理由を書いておいて、
年の途中、4月とか6月とか、後になって思いついた細則を、補足として
付け足す傾向にあります。

でも、今は、それをやると目標の設定についての訓練としては、好ましくないです。めちゃくちゃになってしまいます。

じつは、このような補足については「目標を修正する練習」あるいは
「目標の意味を強化する」という自己強化のスキルを磨く練習になります。

このこのスキルも重要なものですし、機会を変えてご紹介する予定ですが、
今は、設定した目標が適切である、という理由を補足として付け足す場合、
その付け足したタイミングや理由も行動記録として明記することが重要です。
この点を認識するといいです。

次に、その目標が現時点で機能しているか、つまり
それを目指してあなたが何かを成し遂げることができる内容になっているのか、
(現時点でまったく的外れな目標に変わっていないか)を検討します。

1年は長いです。年の途中で環境の変化があり、年始に立てていた目標とは
違う方向にいく、それに従わざるを得ない、という状況もあり得ます。

ただ、その際はすぐにでも目標をアップデート、更新して新しいものを
設定する必要があります。ムダな目標を持ち続けることほど、
目標達成に向かう我々にとってダメなことはありません。

なぜなら、「目標に向かって行動する習慣」などが失われて、怠惰な生活に
ならざるを得ないからです。

もし今のあなたに意味のない目標になってしまっていたら、
じつはその時点で、目標の修正が必要だったわけです。
それができていない点が、問題だった、ということです。

なお、環境の変化があったわけではなくて、
たんに「目標を忘れてしまっていた」という場合には
常日頃から、目標の達成に向かって行動する、という習慣を
作ることからはじめていく必要があります。

そのうえで、今度は最初立てた目標が実際に妥当であったのか、検討する、ことになります。

ですが、過去の判断が「適切なのか」の判断であればともかく
「妥当なのか」の判断については、実際は結構難しいです。
過去の自分が判断した内容を、未来の自分が評価するのは実は難しい、ということです。

なぜなら現在あなたが知っている「後付けの情報」が、
目標を立てた時点でも知りうる内容だったのか、予測しうることだったのか、
そして、それを踏まえて変動にも対応できるような目標だったのか、という点を
一つ一つ検討していくことになります。

たとえば

年始の時点で体重70キロだった人(男性、しかも現在体重が増加傾向にある)が、
「今年は 60キロまで痩せよう」という目標を立てていたとします。
この目標でしたら、私は妥当だと思います。

1月、2月…と定期的にジョギングをして、順調に体重を落としていき、6月末の時点で64キロだったとします。
ところが…7月に入って、足をケガしてしまい、なんと・・・ジョギングができなくなりました!
つまり、2ヶ月ほど安静が必要で、ジョギングができなかったわけです。
そうして、8月が終わった時点で66キロに体重が戻ってしまいました。

この時点で選択肢としては2とおりありますね。
・目標を62キロまで痩せる、に変更する
・目標はそのまま60キロ。よりペースアップして体重を落とす
長期的にみれば前者での遂行をオススメしますが、
個人的には後者で進めることも嫌いではありません。
8月末時点で66キロですから、9月からの残り4ヶ月で6キロ痩せる必要があるわけです。
ちょっとハードですが、9月からは走りやすい季節になりますから、男性であれば意外とたやすいです。

どちらにしても、目標の達成に懸念が出てきた場合には
「選択肢を出す」というのが重要です。また、7月の時点で「ケガをする」というのを
年始の時点で把握しておくことは基本的にはできない、と思います。
もちろん、毎年のように足をケガする、ということなら別なのですが。。。

そして、選択肢のうちどちらを選んだのか、という点と、その選択(変更)した理由を
後々のために書きのこしておきます。
そして、あくまで目標の完遂のために粛々と行動して、それを達成するための
行動をとり続けることが大切です。

目標を掲げていても、それを達成するための行動を実行しなければ絵に描いた餅です。

かえって、目標を掲げることが無意味で、プレッシャーになるだけ、楽しい人生をすごす上で邪魔になるだけですから、目標がない方がいい、ということになります。

目標が実際の行動からかけ離れてしまった場合、達成できない目標のことを考える人は居ませんよね。ストレスにしかならないからです。そんな目標なら、最初からないようがマシです。

目標が簡単すぎる場合、そんな目標を意識するのは時間の無駄です。
無意識にただ過ごしていても達成できる目標なら、やはり、最初から、ない方がマシです。

ムリがない目標だったか、不足の事態が発生してもリカバリーできる位の目標、
あるいは対応策が検討できるくらいの目標であるのか、検討して
あなたの目標設定に対する精度(目利き)を高めていくことがここでは重要になります。

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